若手Aの自分勝手改革論

『ココがヘンだよ学校教育』 一労働者の目線から、学校教育を妄想改革していきます。

019 ポケモンDPから学ぶ多様性の定義 Part2

前回の続きです。

ポケモンとの絆や信頼関係を大切にする。ポケモン一匹一匹と代替不能な普遍的関係性をもつ中で最強を目指すティール組織的トレーナー、サトシ。

ポケモンを手駒として割り切り、実践を通し選抜を繰り返すことで精錬された最強を目指すトレーナー、シンジ。

そんなシンジに捨てられたヒコザル
そんなヒコザルを受け入れたサトシ。

シンジの元で厳しいトレーニングを課されてきたヒコザルは、サトシとポケモンたちの楽しいランチタイムになかなか馴染むことができませんでした。

そしてその後、バトルの練習。
ヒコザルポッチャマと練習バトルをするのですが、健闘虚しく負けてしまいます。
シンジはバトルに負けた時にヒコザルを激しく叱責しました。しかし、サトシは負けたヒコザルを抱き締めました。

「よくやったなヒコザル

そんなサトシの優しさにヒコザルは思わず泣き出してしまいます。

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夜、過去の悪夢にうなされ、一人目を覚ますヒコザル

まるで強豪校をやめて、地方の公立に編入した野球部員のようです。

本当に自分はこれでよかったのか、悩むヒコザルの話し相手になったのはコイツでした。

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ロケット団の3人は陰ながら不遇のヒコザルに心を痛めていました。

「過去を捨て、今を生きるのニャ」

こうしてヒコザルはサトシのポケモンになりました。








その後もサトシとシンジは随所で接触します。

色々ありましたが象徴的な出来事を抜粋します。

街を荒らしていたグライオン率いるグライガーの群れが二人の前に現れました。

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シンジは迷わず群れのボスであるグライオンに目をつけてゲットします。
サトシは、群れの中でいつも食べ物に目を奪われたり、一人でどこかに行ってしまうようなADHD的なグライガーをゲットします。

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一方、シンジは尊敬していた兄レイジが勝てなかったジンダイというレジェンドトレーナーに過去にサトシが勝ったことがあるということを聞きます。

また自分が弱いと値踏みしたムックルグライガーヒコザルを成長させているサトシに対して嫌いで気に入らないという感情以上に気になって仕方ないという状況に陥っていきます。

シンジはサトシど同様に様々な地方のポケモンリーグに参加していたが、思ったような結果が出ずに焦っていたようです。
ジンダイや、兄レイジの助言を受け、焦りが消えたシンジはサトシを見下した物言いをするのをやめました。

そんな中でサトシとも親交のあるレイジから提案が「そんなにお互い気になってるならフルバトルしちゃえよ」
そんなことでフルバトルを行いました。

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結果はシンジが終始圧倒。
絶体絶命のサトシ。

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そんなサトシを救ったのはヒコザル
ヒコザルが進化してモウカザルになりました。

でも負けました。

モウカザルの躍動も4点ビハインドの9回にソロホームランを打った程度の反撃にとどまりました。

これはいい展開だと思いました。
いやー、勝たないんだ!
それも接戦ではなく、シンジの圧勝。

しかし精神的に一つ壁を乗り越えたシンジはサトシを見下すようなことはしません。
自分と違うやり方の人間を圧倒した。
それでもシンジは何も言いません。
サトシは悔しさを噛み締めます。

やり方、考え方の違う二人はこの瞬間、本当のライバルになりました。

大人の世界だったら
「ほら、お前のやりかた間違っているだろ」
間違いなくマウントを取りたがりますよね。
サトシが勝っていても、恐らくマウントを取っていたのではないでしょうか。

これまで徹底的なアンチテーゼとして描かれてきたシンジ。

考えさせられるものはありました。






次にサトシとシンジが対峙するのはシンオウリーグです。ベスト8をかけた戦いです。

これがとても面白いのです。

シンジはサトシのバトルや手持ちを冷静に分析してサトシに有効なポケモンを選択します。
計画を立てて、シュミレーションでテストを行い、分析して、対サトシの練習をします。
けテぶれの先取りです。
けテぶれの創始者はシンジでした。
ただし、切り札のエレキブル(ヒコザルをいじめていた)は残留スタメン入りです。

サトシは前回のフルバトルでシンジに負けた6匹をそのまま選択しました。

切り札であるアイツ

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も呼び戻していたのですが。
その手持ちが

シンジに値踏みされゲットすらされなかったムックルから進化したムクホークADHDグライガーが進化したグライオン。そして、捨てられたヒコザルから進化したモウカザルがさらに進化したゴウカザル。お馴染みピカチュウもスタメンです。

バトルではシンジはシンジらしい、先に出る2体を犠牲にサトシのポケモンを分析するという合理的な戦法に加えて、サトシの編み出したカウンターシールドという戦法を取り入れるなどクレバーな戦い方でサトシを翻弄します。

教員が一番苦手なことですね。
苦手な奴のいいところを真似する。
実に合理的です。

しかしサトシもシンジのやり方を全否定するようなことはしません。シンジを悪と決めつけず、その強さを打ち破るために様々な策略を練ります。

これも教員はできていませんね。
アイツのやり方が気に入らない。
だからやめさせる。ではなく、認めた上でそれよりも自分のやり方を高め、よりよい指導を目指す。
どうしても気に入らないものを文句を言ってやめさせようとする我々はサトシから学ばなければなりませんね。

序盤は互角と見せかけ、シンジの策略にはまったサトシ。中盤は前回同様圧倒されます。しかしピカチュウの奮闘によりやや持ち直します。
が、ピカチュウが力尽きるとサトシの手持ちは満身創痍のゴウカザルのみ。シンジはほぼフルパワーのエレキブルが残ります。

そして、やはりエレキブルが勝ちます。

しかし倒れたゴウカザルエレキブルは必要に挑発します。シンジも同様です。

「どうした、お前の力はその程度だったのか」

審判がバトル終了を宣告する直前。
ゴウカザルが立ち上がりました。

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まるで孫悟飯です。

で、名曲タイプワイルドを背にゴウカザルエレキブルを倒します。

ゴウカザルはシンジの元へ。

「どうだ、強くなっただろ」

と、言わんばかりの誇示。

シンジは
「強く…」

と呟き、言葉を飲み込みます。

言いかけたところでゴウカザルは倒れてしまいます。

自分の元で開花しなかった才能を開花させたゴウカザルを心の底から認める心意気。

自分のクラスで活躍できなかった問題児が、嫌いな奴のクラスで華開いた時、その子のことを認める度量は我々には果たしてあるのでしょうか。

そして

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またバトルしようなー。

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シンジは無言で右手を上げて答えます。


互いを罵倒し、認めようとしなかった前半。
しかし、違いを認め合い、相手のよさを知った上で自分を高めた後半。

サトシもシンジの関係に言葉はありませんでした。

私は当時、普通に子ども向けの割に面白いなあ。と、思って見ていましたが。ここには我々の足りないものがたくさん詰まっている。そしてわかり合えなくても認め合うことができるということを、今思うと教えてくれたように思えます。

子どもたちはどう感じ取っているのでしょうか。
よくわかりません。
でも、この物語には大人たちに対する痛烈な皮肉が込められているような気がしました。

憎み合う負のエネルギーよりも、それを認め乗り越えようとする正のエネルギーは強い。
だから、多様性は必要なのではないでしょうか。

そろそろ新学期ですね。

私もあの人や、あの人をシンジだと思って、憎むのではなく認めることで自分を高めて行きたいと思います。